【〇】 ―零―

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「気を付けて行ってきなさい。」 僕は仕事場に向かう彼を見送り、空っぽのバケツと柄杓を片付け家の中に入った。 これからやらなければいけない事が沢山ある。 そして、必ず守るべき“約束”も・・・。 キッチンでコーヒーを淹れ書斎へと向かう。 広すぎるこの家の中には僕1人。 彼らが出掛けている間に、少しでも研究のレポートをまとめておこう。 点けっぱなしのパソコン。 そしてディスプレイの脇には研究途中の書物が並ぶ。 ―――どうしてこの“伝説”が現実になったのか。 書物の内容とは若干捻じ曲げれてはいるが、まるでこの物語に沿って作られたかのようなこの偶然・・・。
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