【〇】 ―零―

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「滝沢の婆さんは暇してるかなぁ・・・?」 頭の中のモヤモヤは晴れず、今はパソコンの画面と向かい合う気にはとてもなれなかった。 気が乗るまで出掛けてこよう。 どうせ近所だ。 何かあればすぐに帰って来る事ができる。 僕はディスプレイ脇の書物を持ち出し、玄関へ向かい靴を履いた。 向かう先は我が家の隣家。 そして訪ねるのは、いつも笑顔が素敵な琴音ちゃんの曾祖母の元・・・。 “南総里見八犬伝” この物語を書いた“滝沢馬琴”の末裔たちが住む家へ。 全ての始まりはこの物語にある。 そして“伝説”に纏わる“呪い”は、時を超えて現世に姿を現していた――――――
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