【〇】 ―零―

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「こらっ、ネプ! 制服が濡れちゃうだろ?」 僕が大きな声を出すと、小さな彼はピクリと体を震わせその場に直った。 しかしひらひらと宙を舞う蝶を見つけると、再び体が疼き始め、まっしぐらにその蝶を追いかけていく。 ―――これじゃあ、まるで猫だな・・・。 そう苦笑しながらも、最年少である彼に微笑ましい視線を向ける。 大変なのは他の連中だ。 元々の年齢が高かったせいか、どうも腰が重くどこか腑抜けている。 まぁ、時期に慣れるだろうが、どうにか今は尻を叩いてでも行動してもらわなければならない。 気合いを入れて新たな環境に馴染むための一歩を踏み出さなければ、この先彼らは自分の道を見つける意欲すら失ってしまうだろうから・・・。
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