序章

10/12
前へ
/264ページ
次へ
「んじゃ、また明日な、ひより」 「明日は私がお迎えに行く日だからね。ちゃんと起きててよ?」 「努力します…………」 信二とひよりは毎日一緒に登校してくる。 毎日交代ずつ、互いの家に迎えに行っている。 仲がいい。 互いの親も早く卒業して結婚してほしいと、言っているくらい。 「あの、速水先輩…………」 「ん?なに、茜ちゃん?」 「また…………遊びに来てくださいね」 「俺でよかったら、また来るよ」 「絶対ですよ?」 「絶対来るよ」 「はいっ!じゃあまた」 「お、おう。またな」 この日、何度か茜ちゃんの笑う顔を見た。 今、目の前にある笑顔が素直に、とても可愛いと思った。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加