序章

3/12
前へ
/264ページ
次へ
と、言うわけで信二の彼女のひよりの家に来たのだが…………。 「んでさぁ…………」 「そうなんだぁ。私はねぇ…………」 「……………………」 二人の会話をただ聞いてるだけで、何にもしていない。 帰ろうかな…………。 「まだ帰るなよ」 と、信二からの一言。 さすが親友。 考えがわかるみたいだ。 「あと10分、待ってろ」 なぜ10分? 時計を見ると、4時55分。 5時5分にになにかあるのだろうか。 「ごめんね、速水くん」 「ひよりちゃんは謝らないでもいいよ。全部、信二が悪いから」 「はぁ?なんで俺が悪いんだよ」 「理由なんてねぇよ?必要なのか?」 「聞かせてもらおうじゃねぇか」 なんで若干、喧嘩腰? 「相沢信二、お前には理由はいらないだろ」 「……………………」 「誰もがときめく相沢信二は、こんなちっちゃなことで理由を聞くほど、ヘボな男なのか?」 「…………だよな!」 単純なバカでよかった。 でも、ウザイくらいのお人好し。 信二だから、ムカつかない。 だから親友なんだけど。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加