序章

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バンッ!! その時、部屋のドアが勢い良く開いた。 ドアのすぐ隣に座っていた俺は、軽く驚いた。 「お姉ちゃん。ただいま!」 開いたままのドアで、声の主が見えない。 「おかえり。茜」 同じ高校の制服を着た女の子が、ひよりちゃんに゛お姉ちゃん゛と言った。 妹で、一年であることを知る。 「相沢先輩、ただいまです!」 「おかえり」 まるで家族のようだ。 ごく自然に会話を交わしている。 「あれ?二人だけ?」 「茜、後ろ後ろ」 「へ?うし…ろ…………」 こちらを見たひよりちゃんの妹。 うん、確かに似てる。 身長が低いことまで、似ている。 「どうも」 「ど、ど、どうも…………」 ゛え?そこにいたの?゛とでも言いたげな顔をしている。
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