0人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
僕は彼女がいればいいと思っていた
とりあえず付き合っているだけでよかった
「彼女」という存在は僕の支えでもあったからだ
ストレスが溜まっているのがわからず、とにかくポジティブだった僕は
ちょっとしたことで怒るようなダメな奴だった
そんな僕を美沙は優しく包んでくれた
それがすごく幸せだった
彼女を守りたい、笑顔にさせたい
そう思えるようになったのはこの時からだった
それから、僕たちは一つになった
一つになることが多かった
誰が見てもやり目だと思われてしまうかもしれない
ただ、美沙と一つになることは
かけがえのない時間と宝物だった
やましい意味ではない
彼女と一つになることは、呼吸も心臓の音も
よく聞こえたからだ
もう一つ彼女の姿を知ることができたからなのだ
最初のコメントを投稿しよう!