1385人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでは、これが午後の課題です。配る前に約束があります。」
私はクスクス笑いながら
「裏のまま配って下さい。必ず裏です。いいというまで表に返さないで下さい。見た方は失敗します。」
真面目な顔で言うと
「えぇ?」とまた笑い出した。
順番に課題がまわっていく。
だけど誰も表に返さない。
そのくらいやり遂げたいのだ。
「まだですよ。はい、それではそのまま少し早いですがお昼にしましょう。」
「え?」
「せっかくイメージしたのにですか?」
「そうです。」
「なぜ?」
「やりたくてウズウズしませんか?」
「やりたいですね。」
「ですよね。だからやらないで下さい。これが第2段階のウズウズです。」
みんなケラケラと笑い出した。
「このウズウズが次に大きな進化を遂げます。だから、絶対にやっちゃダメです。やりたい。後もう少し…そう思うところでサッと切り上げて下さい。」
私が笑うと
「わかりました。」
みんな席を立ち上がった。
納得いかないような顔をしている人もいたけれど
大人達なので、合わせてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!