第1話 謎のオッサンとの遭遇

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あの日から何日過ぎただろうか。 それすら定かではなくなるような平凡な日々を過ごす楓。 成績は中の下、運動は苦手で人付き合いも苦手。 友人と呼べる存在は極めて少なく、当然恋人もいない。 そんな彼女に特別なイベントがあるはずもなく、日々は淡々と過ぎていく。 「じゃあねー!また明日!」 数少ない友人の同級生、沙希と別れた楓は友人の姿を見送ると家路についた。 夕暮れの帰り道。 いつかの公園での出来事を思い出す。 ーーーチャンスかもしれないだろう? 胡散臭い自称[魔法使い]が言った言葉が頭に浮かぶ。 「願い事かぁ・・・」 現状に不満があるわけでも・・・ 楓は立ち止まって考える。 不満は・・・ある。 平々凡々のちょっと下を生きる自分に、何か[特別]なモノがあればもっと素敵な日々が送れるかもしれない。 それが非現実的なら更に良い。 実に良い。 けれどそんな美味い話は無いことも知っている。 もう高校二年なのだ。 そんな夢物語を夢見るのは中学生の時までだ。 「・・・でも」 楓は小さなため息をついて再び歩き始めた。
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