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思い返してみれば、人生何一つ良いことがなかった。
友達と言える友人は殆どいない。
親友だった幼馴染みの二人は、小6のころ何故か同時期に転校していった。
何だかパッとしない中学時代を過ごし、高校でも教室の隅に一人でいるような生活。
極めつけは、つい半年前。
世界で最も大切だった、両親の事故死だった。
頼りになる父を尊敬していたし、誰よりも優しい母を愛していた。
正直、死のうかと思うくらいへこんだが持ち前のポジティブさで何とか持ちこたえ、天国の両親に立派な姿を見せるため国立の法学部目指して頑張った。
結果、惨敗。
俺の人生も、惨敗。
俺に残ったのは、使いきれないほどの保険金と、両親との思い出が詰まった家だけだった。
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