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俺の手のひらに8つの輝く水晶。昨日と同じ光景だ。
(「属性測定をもう一度やり直してほしい。」
「…は?」)
と、いう流れでもう一度が実現した。
もう一度頼む、と言ったのは俺ではなく、先生の方。
さっきから水晶を眺めながら、唸っている。
「あのー。先生?」
俺は一体どうしたらいいのかわからず、話しかけた。
「……カルナ。お前、闇魔法が得意か?」
「え?まぁ、一番すんなり発動出来ますね。」
「ふむ……。」
「……あのー。」
「闇の次は火か?」
「えぇ!?なんでわかるんですか。」
「ふむ……。」
「…………。」
先生に得意属性を当てられていくのが何故なのか。先程から凝視している手元の水晶を俺も見る。
「あ。」
俺の声に反応して、先生が顔を上げた。
「気づいたか?」
口元をニヤリとしながら、確信めいた問いかけをする先生。
それに頷き、もう一度水晶を見た。
…輝きが違う。
各色に輝く水晶はわかりにくいが、どうも光の強さが違うように見える。
「闇、火、風、氷魔法はよく使うのか?」
確かに、よく使う。
「…それ以外は?」
「使えます、けど。簡単なやつくらいしか、使わないです。」
発動に少し抵抗が・・・と続けると、先生はまた「ふむ・・・。」と呟き視線を俺の手のひらに戻した。
それからしばらくして先生が顔を上げて言った。
「闇、火、風、氷、光、水、土、雷。これがお前の得意順だ。」
そう言った先生は、何故か、すごく嬉しそうだった。
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