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「……ア。クレア!!!」
目の前にはリクの姿。
「あ?あ、悪い、考え事していた。何?」
今朝のこともあり、思い出してはニヤけてしまう。
水晶がすべて光るということを見て絶句し、それ以外俺と関わることを避けていた先生とは違い、俺のためにあんなに一生懸命になってくれた先生はあの人が初めてだった。
あぁ。ダメだ口元が緩む。
「ったく。朝から変だぞ、お前。な、ミレ?」
「そうかな?変…というより、嬉しそうだと思うんだけど。」
ミレ・リドゥティ。今朝リーアの紹介で知り合いになった同じクラスの少女だ。
水色のショートカットで毛先は外に跳ねまくり、髪よりも深い水色の瞳。
彼女もユーリーー本人の了承を得てユーリを呼ぶことになった。ーーと同じく特待生で青に白のラインが入った制服を着ている。
リーア曰く、彼女も獣人らしいがどうも貴族らしい。
貴族の身の上で獣人となると、何かしらあっただろうが、それを感じさせない雰囲気は、貴族のプライドか、彼女の個性か。
まだ知り合って一時間も経っていないが、答えは後者だろうと思う。
「何かいいことでもあったの?セリシア君。」
……何というか、彼女は妙に感が鋭い。
「まぁな。それより、今何番だ?」
30番よ。と唐突な質問に答えてくれたのはリーア。
リーアとミレを見ていると仲の良い姉妹に見えるのは俺だけだろうか。
今日のHRでレン先生にいきなり告げられた。
(「今日、一日模擬戦だから。」)
クラスのみんなが面白かった。大ブーイング。
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