プロローグ

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――おかしい。 こんなはずじゃなかったのに。 透き通るような、青空。 春の香り。 人の群れから離れて、ふたりきりの君とあたし。 「俺はずっと、柚穂さんのこと泣かしてやりたかったんですよ」 泣きじゃくるあたしを見下ろし、それを言うのは、今まで可愛かったはずの後輩。 「慰めてほしかったら、命令しろ」 ――君は今日も、あたし専属。
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