「命令して下さい」

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「そっちの学校は、もう部活始まった?」 「まだまだー!部活ないと楽だけどさ、やっぱものたんないよ。荷物少なくて助かるけどね。ユズは?マネージャー」 「うーん……、去年は、もうマネージャーいらないって言われちゃったからね……。今年はどうだろ……」 あたしは、入学する前から、またサッカー部のマネージャーをやるつもりでいたのだけど、 女子マネージャーはすでにふたりいて、これ以上はいらないと言われてしまった。 「去年は料理部入ったんだっけ?ユズはさ、マネージャーのほうが向いてると思うけどな。また試合で会いたいしさ」 「うっ、うん……!」 他意はないと分かっていても、舞い上がる自分に呆れる。 サッカー部のエースともなれば、それだけで女子にモテてしまうわけで。 それに加え、誰にでもやわらかな物腰に、長身イケメン。 あたしは、例に漏れず、彼に熱を送るうちのひとりだった。
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