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ー次の日。
昼休み。私は恐る恐る屋上へ。
そっと屋上のドアを開け、覗いてみた。
シン……。
漫画ならきっとこういう『効果音』だろう。
それくらい屋上はシンとしていた。
人っこ一人誰もいない。
いつもなら大雅君が大きな声でワーワー言ってるはずなのに。
熱?
熱で学校休んでるの?
でも二人とも休みなんて……。
「わっ!」
「うわっ!」
いきなり後ろから肩を叩かれて私は跳び跳ねた。
「あははっ。結香ちゃん面白~い!」
こんなことする人一人しかいない。
大雅君だ。
「大雅君……びっくりした……」
「あはは。ごめんごめん。そういえば勇真が結香ちゃんのこと探しに行ったはずなんだけど、会ってない?」
え……。
勇真君が私を?
何で……?
……。
あ……。
しばらく考えて分かった。
ー「風呂敷、編んで明日帰す」ー
風呂敷だ。
わざわざ探しに行ってくれたの?
屋上で待ってれば会えたのに……。
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