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彼女の名前は冴木結香。
高校1年生。
教室の扉を開くと、周りからの冷たい視線が結香に刺さった。
結香はそれを無視するしかなかった。
座席に座るといつも通り結香の元にイジメっ子グループのボス生原絵美が近づいて来た。
「ねぇ。これ解いてよ。私賢くないから分かんないんだよね~。今日一時間目に提出だからそれまでに解いてね。キャハハ」
結香の前に差し出されたのは先週宿題に出た数学のプリントだった。
そのプリントは軽く50問くらいあって計算も長い物だった。
一時間目が始まるまで後30分程。
そんな短時間で解ける物ではない。
「そ、そん……!」
「じゃ、頑張ってねぇ」
真理は結香の言葉を遮るように言うとそのまま自分の席に座った。
結香はプリントの問題を解くしかなかった。
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