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これが狙いだったの?と、思いながら結香は絵美のほうを見た。
絵美は結香を見ながらニヤっとすると、口パクで、『ば~か』と言った。
「まったく。そのプリントを直して、ちゃんと先生の話を聞いておけ」
「はい」
何で私が怒られなきゃいけないんだろうと、思いながら結香はプリントを机の中に入れた。
教師もいじめに気づいているのに助けようとしない。そして、自殺した後も、
「気づかなかった」で済ましてしまうのだ。
教師の話など、結香の耳には入らなかった。
「じゃ、今日も一日頑張れよ」
担任教師が教室を去った。
その直後、結香はプリントを出して、再び問題を解き出した。
タイムリミットは迫っていた。
担当教師が来るまでのほんの数分間しか
プリントをやる時間はない。
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