味方

5/10
前へ
/46ページ
次へ
これが狙いだったの?と、思いながら結香は絵美のほうを見た。 絵美は結香を見ながらニヤっとすると、口パクで、『ば~か』と言った。 「まったく。そのプリントを直して、ちゃんと先生の話を聞いておけ」 「はい」 何で私が怒られなきゃいけないんだろうと、思いながら結香はプリントを机の中に入れた。 教師もいじめに気づいているのに助けようとしない。そして、自殺した後も、 「気づかなかった」で済ましてしまうのだ。 教師の話など、結香の耳には入らなかった。 「じゃ、今日も一日頑張れよ」 担任教師が教室を去った。 その直後、結香はプリントを出して、再び問題を解き出した。 タイムリミットは迫っていた。 担当教師が来るまでのほんの数分間しか プリントをやる時間はない。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加