プロローグ・・・

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ソイツはそう言って、前を見た。 ぼーっと見てると列が前に進んで、オレとソイツも前に出る。 「あ…」 驚いた。 薄暗いひかげで見えなかったけど、ひなたに出たソイツの髪と目が他のヤツラと違っていたから。 はくぎんとあお。 周りのヤツラは黒。 オレもかあさんから、そのかみはひとめにつくからと鬘を被せてもらっていたから黒。 くろの中にキラキラ光るしろ。 ひつぜんとまわりの目がオレの隣に向けられる。 ヤツは気付いてまた泣きそうになって、うつむく。 「……………」 ―――なんかばかばかしくなってきた。 バサッ! くろをぬぎすててそこらへんにポイッと投げた。 とたん、さらにざわつく。 きめぇ。 こっちみながらコソコソはなしてんじゃねぇよ。 おい指さすな。 「―――おい、」 「………?」 ヤツに声をかけた。 ゆっくりと顔をあげるヤツはやはり涙ぐんでいて、オレのかみをみたら涙がひっこんだ。 「オレもくろじゃねぇんだからな」 「………!!…それ、じげ、なの……?」 じげ? 「…ん」 鬘を指さした。 .
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