第1話

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素人臭い喧嘩だなぁと、もう1発殴られながらボンヤリ思った。 気がすまない相手は息を荒く吐いてズボンのポケットからハサミを取り出した。 「お前の髪切ってやるよ…お前とよく一緒にいるあの銀髪野郎も人気だからって調子付いてムカつくからアイツの髪も切るか…」 後半はよく聞き取れなかった。 でも確かにそう言った。 アイツの…ナナの綺麗な、オレとは対照的なあの髪を切ると。 「あははははっ!お似合いじゃないか!!二人揃って残念な髪型になってさ!」 トイレにそいつの笑い声が反響する。 指が髪に触れた直後、幸いにも立ったまま拘束されていたオレは目の前のヤツを蹴り上げ、その反動でそのまま足を後ろにいくように空中で1回転し、二人の後ろに立った。 何が起こったか解らない二人の頭を掴み、男子トイレの外に叩き付けると気絶させる。 「少し……遊ぼうじゃねぇか…」 低く静かに告げた。 そのままオレは、驚いているやつの顔が原型が分からなくなるまで殴り付け続けた。 今までの仕返しと、ナナにまで手を出そうと笑ったコイツが許せなくて。 あいつの目に映っていたオレの顔は、きっと笑っていた。 辺りをそいつの血の海にして、やっと慌てて飛び込んできた先生に取り押さえられたオレは叫んだそうだ。 .
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