第1話

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月が笑っていました 僕の人生がそんなに可笑しいんだろうか 月が泣いていました 僕の人生ってそんなに憐れなんだろうか やがて月は青白くなり そしてほとほと呆れはてて 月は真っ白になりました 僕はどうしようと 情けないほどに動揺し ただおろおろするばかり そして月は薄くなり消えていきました とうとう月にも見放されてしまったのか とうとうツキにも見放されてしまったのか ふと東の空が明るくなったかと思うと 太陽が大笑いしながら昇ってきました 「月」と「ツキ」の洒落分かった? そんなにウケたんだ 太陽が力強い日差しを捧げています まだ大笑いしています そんなに爆笑ネタでもない気がするんだけどな でもまあよかった そんなに喜んでもらえて 楽しい時間が過ぎるのは速いものです 夕暮れになり太陽は泣き始めました 太陽が涙の雨を降らせて大泣きしています どうしたの?と僕が尋ねますと 太陽はこう言いました あなたとお別れするのが悲しくて泣いています 僕はじゃあまた明日と言って 手を大きく振りました その時でした 反対側の山の端から 月が「こんばんは」と嬉しそうに僕に挨拶しました
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