第3話

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飲み始めてからしばらく。東谷がふと口にする 「いや、実はさー、昨日から体調悪くてさ」 そう言ってグラスに口をつける。 「え?」 「でもさ、約束してたからさ」 「えー。大丈夫?無理しなくて良かったのに」 心配しながらも普段と変わらない態度に一切気づくことなかった。 おそらく。 この人の性格上、気づかせないようにしていたんだと思う。 話をしながらせっかくあるベッドへ横になる。 手招きするようにベッドへ誘うと押し込む。 「横になってれば少しは楽じゃない?」 「大丈夫だよ、薬飲んでるし。顔見たら元気になった」 そう言いながらベッドへ横になる。 「ちょっとだけごめん」 そう言って携帯をいじる姿を見つめるとふといたずら心が芽生える。 「ふふっ」 笑いながらうつ伏せで携帯をいじる東谷の背中を枕にする。
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