As You Wish

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結構オープンにしてたつもりなんだけどな。 ごたついてて、先輩たちにも迷惑かけたし。 「いや、何か先輩たちがハルタさんは家事がうまいっていってた記憶はあるんっすけど…ハルタさん超謎多いし」 「はぁ?」 「一人暮らしだとか、実家暮らしだとか、女と住んでるとか、噂も色々」 「ああ、そっか、なるほど。お前らまでは伝わってなかったんだ」 後輩の返答で分った。 俺のすぐ下の後輩たちには、今では卒業した先輩たちが気を使って言ってくれたんだろう。 目の前にいるのは、一回生。 たぶん、俺が落ち着いてからしか、知らないわけだし。 「父親は単身赴任中、母親は三年前に他界、兄姉は独立。現在、実家に妹と二人暮し。家事は俺担当」 謎解きをしてやろう、と、簡単に家族構成を教える。 「つー訳で」 と、ひじまで捲り上げていた袖を下ろし、俺は鞄を持った。 「今日はスーパーの特売日だから、俺はもう帰るな」 「…やっぱハルタさん、謎っすよ」 お疲れっすと頭を下げながらぼやく後輩に、手振ってクラブボックスを出る。 何が謎なんだか。 家族構成も俺の家事分担も教えたし。 わかりやすい理由だろう、スーパーの特売。 ささみの冷凍が無くなってたから、買い足し。 後はパンと牛乳と、ほうれん草。 筍が買えたら、水煮にしておいて常備菜だ。 今夜のメニューは揚げ物にでもしようか。 確か、サトイモがまだ残っていた筈だ。 買い物リストと冷蔵庫の中身を思い出しながら、俺は大学を後にする。
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