As You Wish

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「ええ?それが理由なの?!」 「あたしなら、大歓迎なんだけどな」 「うん、私もそれが理由でなんてわかんない」 現在時刻、23時。 一旦家に帰って家事をこなし、ねーさん家に集まって飲みだしてから既に5時間。 リクエストのたこ焼きやら箸休めのサラダやらは既にほぼ空。 テーブルの上も大半片付いて、スナック菓子があいたりしてほろ酔い通り越して酔い酔い気分。 「一旦洗いましょうか」 と、洗物を片付けながら、椎さんの希望でコーヒーを淹れたりして。 勝手知ったるなんとやらの人の家の台所で、やっぱり習い性で家事をしてる自分を見つけて軽く落ち込んでいたら、そこを見つかってつつかれて。 結局。 元カノの『家事が出来る男はキモい』発言の話をさせられた。 「まあ、でも、ほんっとに、ハルタくんは便利だよね」 帰宅組は飲みな、と、コーヒーを勧めていたねーさん、自分は新たにビールの缶をあけつつ人の顔を見てくすくすと笑った。 「あんまり褒められてる気がしません」 「うん、あたしもあんまり褒めてる気しないかも」 「……」 「なんていうか、デフォルトに便利すぎて、ありがたみないんだよねぇ。だからって『キモい』かっていうと、それは違うと思うけどさ」 「私、彼がそういう人だったら喜ぶと思うなぁ~。全然出来ない人だから、今からしてもらわなきゃって思うし」 美弥子さんも首を傾げてる。 「色々としてもらったら嬉しいと思うんですけど…って、私だったら、確実嬉しいんですけど。裕子さん、どうでした?」 「そこで間違いなく過去形使える美弥ちゃんが、すんばらしいと思うわ」 どうでしたと聞かれたとたんに、ねーさん爆笑。 すかさず、あっちに聞きなさいよ、と、指をさす。 「…なんでそこで俺を見るんですか?」
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