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にっこりと、よくわからないことを言っていたこいちゃんの『ちゃんとしてる』がわかったのは、夕飯時。
バイトで遅くなるから、と、友花が出かけた後のこと。
俺は断ったのだけれど、気になるから、とこいちゃんは俺と友花のぶんの夕飯を作ってから帰ると言いはったので。
それなら一緒に食って行けと誘ったのだ。
「男二人だし、もう、適当でいいよね」
そういって出された煮込みうどんは、鍋ごとだった。
うどんは美味かった。
熱があるときだからとかじゃなくて。
熱でよく味はわからなかったけど、美味かった。
それから。
普通に身につけた感じのこいちゃんの家事の手際が、ほっとした。
鍋のまま出されたうどんにも。
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