65人が本棚に入れています
本棚に追加
今ここにいる面子を呼び出した伊真ちゃんに、伊真ちゃんの幼馴染みである晴香ちゃんとあたし。
そして、伊真ちゃんの母親である妙子さん。
あたし達四人以外にまだ後数人伊真ちゃんは呼び出したみたいなんだけど……。
「んもうっ。あの子達はどこ行ったのかしらぁん。せぇっかく伊真ちゃんが誘ったのに」
「龍樹がいるから怖くて隠れたんじゃない? 身長高いくせに中身がそれだからさぁ」
「これがあたしなんだからしょうがないでしょ。それとも伊真ちゃんもこんなあたしが怖いの?」
「は? まさか」
あたしによってマフラーを首にぐるぐる巻き付けられた伊真ちゃんは、表情をくしゃりと破顔して笑った。
伊真ちゃんは性格は明るくて表情ころころ変えて、基本けらけら笑ってるような子だけど。
寒さから鼻の頭と頬をほんのりの赤色に染めてるのもあって、くすぐったそうに笑う伊真ちゃんにあたしは……。
いやいやいや駄目よ駄目駄目江藤龍樹!
あたしはあの時心に決めたじゃないの!!
地球が後数日で滅ぶからって、その決心を揺るがしたらオネエが廃るじゃないのぉっ!!
「何やってんの龍? 救いようのない頭が更に救いようの余地がなくなった?」
「誰の頭が救う余地無しよ!? あたしの頭はIQ300なんだからね!!」
「30ねー。わー凄ーい」
「あんた達タッグ組まないで!!」
そしてデリケートで心の脆いあたしを弄らないでよねっ。
オネエを廃らせない為にも邪念を追い払おうと頭を振っていたら、伊真ちゃんと晴香ちゃんがにやついた顔であたしに絡んでくる。
類友って言葉があるように、この二人の性格はあたしに対してだけ似てる。
ほんっと嫌なんだけど、あたしに対してだけねっ。
最初のコメントを投稿しよう!