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「私は魔物を根絶やしにするまで止まらない!それは皆、理解している!」
「おお!我等は姫様と共に!」
オオオオオ
周囲は歓声に包まれた。
「旦那……、帰りましょうよ」
「……これが俺の罪か」
そうつぶやくと、先ほどまで魔物と同じオーラを放っていた仮面の姫の気配が緩んだ。
「アナタを逃がしたのは私だ。恨み言などあろうはずもない。せめて、邪魔をしないで……」
だが、男は決意を含んだ目で真っ直ぐに見据えた。
「そうもいかん」
「……なぜ?」
「親衛隊……、あの時の決死隊は救えたと聞いた。だが、今彼らはどこにいる?」
「……」
「その後の戦で命を落としたのだな?王都本軍もどれだけ減った?そして、いまも先代国王のため領民達は……!」
ドッ
仮面の姫は話の途中で地を蹴った。
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