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千を越える親衛隊はそれ以上の魔物たちと激戦を繰り広げている。
「彼らは兵隊だ!君を守るためにいるんだ!分かれ!」
青年は風を越えて姫を抱きしめる。
ドン!
だが、姫はそれを突き放した。
「分かりません!」
「ぬう!」
青年がドレスの胸元を掴むと、姫は真っ直ぐに見据えて言った。
「力ずくで止めたらよろしいのです!今ならそれもできるでしょう!」
青年はその目に叩く事も出来ず、ただ揺するのみ。
「……なぜだ!なぜわからぬ!」
バッ!ビリッ!
姫はドレスの胸元が破けるほど動因に振りほどき、細腕を振るう。
「っああ!」
ズバン!
青年はなんとか腕で平手を防いだ。だが、音が重い。
叩かれてもいいと思った。しかし、嫌な予感がしたのだ。
ギュワッ!ドガッ!
青年の大きな体は回転しながら横に弾かれ、古城の岩壁に激突する。
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