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 ドドドン!  兵隊達が次々と宙に舞う。  強引に突破し闘技場の中へ。  そこには円形に八本の柱。  中央には姫が、闘技場を飲み込まんばかりの佇まいで待っていた。  男を止めようとする兵隊達の残りがわらわらと追ってくる。 「さがりなさい!」  ゴウッ! 「うわぁ!」 「きゃー」  姫の恫喝は風を巻き起こし、こっそりついてきた少女ごと吹き飛ばした。  彼らは寄せ集められた塵のように闘技場の隅っこに追われた。  ワー!ワー!  闘技場には国民達がいた。  降り注ぐ歓声。  王子は意図を汲みかね動揺する。 「参ります!」  仮面の姫は相変わらず動きにくそうなドレスを舞わせて飛び出す。  ヒュ  白い閃光のような右ストレート。  パァン!  王子が腕を盾にして守ると、衝撃波とともに袖が弾け飛んだ。
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