5人が本棚に入れています
本棚に追加
数名の山賊が宙に舞い地に伏せるまで、時間はかからなかった。
後ろで様子を窺っていた残りの山賊は、敵わぬと見て散った。
フードのように被っていた布がずれる。
男は薄汚れた金髪で顔は髭に覆われていた。
白馬から降りると、ひょいと少女を持ち上げる。
「わわっ?」
「森の外まで送ろう」
少女は馬に乗せられ、男は手綱を持って歩く。
「旦那はいい人ですね。弟子にしてくださいよ」
「弟子?」
「ボクはいろんなものが見たいんです」
「……」
返事がないのも当然か。
「あ!」
歩を進めると逃げたはずの山賊が固まっていた。
「ボス!あいつです!」
通行人から巻き上げたらしい荷物が山と積まれている。
最初のコメントを投稿しよう!