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冬が過ぎ、春が迎えようとしてる時期
。そこの首に鎖で縛られている、少女が居た。その少女は昔………いや、昔と言っても二日前だが貴族と呼ばれていた。少女の名は………
「立て!!アルーネ・リッツェ、殺戮の女!!」
少女は、覚束ない足取りでゆっくりと歩いていく。青天の真下、歩く先には様々な人々の命を啜ってきたであろうギロチンが聳え立っていた。
(あぁ、やっと死ぬことが出来る。やっと………欠陥だらけのこの人生から。やっと)
少女はギロチンの前に立つとゆっくりと跪いた。ギロチンを讃えるように、ギロチンに感謝をするかのように
中年の男らしき者が少女を固定していく。逃げられないように、そして、確実に殺すために
「拷問貴族の最後の生き残りアルーネ・リッツェ!!貴様は、これまでに103人の人間を拷問し、殺している。その罪は重く!!斬首とする!!最期に何か言うことはあるか?」
少女は少し悩むように口を少し開いてから、空気を吸った。最期の晩餐のように名残おしそうに息を吸い込み。
「神よ……どうして、欠陥品の私をこんな美しい世界に産み落としたのですか?私は…一生。呪います。神よ」
少女は、一粒の雫が落ちる前に。銀色の刃は……少女の血を啜った
私は死んだ。最期に未練がないとは嘘になるかもしれない。あの後に、私は生きたいと願ってしまった。まだ、生きていたいとその思いが嘘か真かは、いまの私にもわからない。だけど、それが、私に彼との出逢いを作るものだったのだろう
少女はとある場所に座っていた。壁はコンクリートで固められ。周りには木のタンスに、純白のように白いベットから至るところに黄金の石を埋め込まれたデスクがある。一室で彼女は、茶色の木の椅子に座らされていた。ニスでも塗られたかのようにそのイスは光を反射していた
「ここは………一体?」
少女は、首を左右に向けて周りを把握しようとしたとき
「ようこそ、アカシックレコード」
一人の女性の声が部屋に響く。いや、響くのではない。声の主が目の前に、正確にはデスクの奥に居るから響いて聞こえるのだ
声の主は椅子をクルリと回転させて少女に向く。その顔は生まれたての赤ん坊のように笑顔だった
「僕の名前はアカシック・レコード。皆から、いや、正確には一人からレコードとって呼ばれてるよ。よろしく頼むね」
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