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アルーネはとりあえず、息を吸うと一言
「恥ずかしくないんですか?」
冷静に返した
二人の少年と少女はアルーネを見る。何を思っているのかは謎だが、その雰囲気は決して邪魔とは思ってはいなさそうだ
「恥ずかしい………ふむ、考えたことなかった」
「そうなの!?姉さん!?」
「バカ者が!!そんな考えをするわけが」
少女が驚愕している少年の方を向くと、少女の顔がみるみるうちに顔が蒼白になってゆく
「どうしたの!?姉さん!?大丈夫な…………あっ」
少年も少女の傍により目線の先を見て固まった。アルーネも不思議に思い、その視線の先を追うと
(あれは……………人?)
視線の先に居たのは、一人の20歳位の青年。緑色のステッキを手に持ち、ゆっくりと少年と少女に向かってゆく。その足取りは子供を叱る親のように荒かったのである。
「おや、客人が居ましたか。少々お待ちを」
青年はアルーネに一礼すると、ステッキをクルリと縦に1回転させ少年と少女に向き直る
「ララット」
「ビクッ!?」
先程、魔王に憧れるような顔はどこえやら完璧に叱られる前の子供の顔になっている少女が身体を震わせる
「貴女は…………何回、同じことを言わせるのですか?」
「15回くらいだと思います。はい」
青年は溜め息を吐くと鋭い視線で少女を見る
「246回です、サバを読んでるじゃないですよ」
「そ、そんなに言っていたかな~。なんて」
「正座」
「え?」
「正座してなさい。私が良いと言うまでです」
「はい」
少女はチョコンと言う効果音が聞こえてきそうに、小さく身体を縮めて正座の態勢になった
「まぁまぁ、兄さん流石に」
「黙りなさい、ラグーン。貴方も同罪ですよ。言わなくても分かりますよね?」
「はい。すみませんでした」
少年、ラグーンと少女、ララットは二人2列になって綺麗に並び正座をした
アルーネは思った。この三人は兄弟なのかと、そして、兄弟にしては年齢が違うような気がすると
「さて、すみませんでしたね。客人を待たせてしまって」
「あ、いえいえ」
「それでは奥に行きましょうか。着いてきてください」
青年は少し前に出ると小さくそうそうと呟いた
「ララット、ラグーン。今晩は夕食は無しです。分かりましたね?」
「は、はい、すみませんでした」
「あぁ、夕食なしかぁ」
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