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がちゃり、と扉の開く音が聞こえて、少年は目を開けた。青色の果ては今日も見えなかった。
扉から白衣の男が姿を見せる。格好は同じだが昨日までとは違う顔ーーーー人が変わったのだろうか。聞いて確かめる程興味は持てなかった。
「出ろ」
白衣の男は一言だけ告げると、少年に背を向けた。急いでいるのか、せっかちなのか、とにかく少年は扉の外に出た。
扉を出ても、世界の色に変わりはない。継ぎ目の無い灰色の世界。
あんなにも綺麗な色が在るのに、どうして世界はこの色なのか。そんな考えが頭をよぎる。
「……本当に、よく躾られているな」
白衣の男の一人言は、少年には意味が解らなかった。やっぱり、聞いて確かめる程、興味は持てなかった。
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