懐かしき悪戯。

1/11

53人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ

懐かしき悪戯。

あの日に出会った総司の言葉を境に、俺達はその後、試衛館に出入りするようになった。 頻度はそれほど多くはなかったから、それ故か俺が稽古に行く際は、必ずといっていい程千歳も付いて行きたいとせがんできた。 女子として、剣術を習う道場に付いていきたいと言うのはどうかと思うが……。 試衛館では、近藤さんや土方さんなど色々な面々と俺は出会ったが、俺はあまり自分から話す質ではなかったから、その人達と一番打ち解けたのは千歳だろう。 もっとも仲良くなったのは総司だった。 俺もそうだが、千歳も総司と年が近かったからなのか、よく一緒にいた。 特に二人は、いたずらをすることが好きだというところが一番の共通点であったから、それがまた仲良くさせるきっかけになっていたのだろう。 あのときが、一番楽しかったのかもしれない。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加