縁談、そして決意。

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その後は、何もかもが早かった。 土方さんは千歳の意思など関係なしに、俺が今回の件について相談した後すぐに手を打ってくれていた。 あの旗本に断る術は千歳を養子に出すことだけだと、近藤さんに養子にしてはくれないかと土方さんは持ちかけてくれたらしい。 もちろん近藤さんは、二つ返事で承諾してくれた。 養子に出したくらいでどうにかなるものなのかと思ったが、もともと山口家の養子だった千歳が再び他家の養子になれば、血の繋がりが無かった山口家とは一切関係が無くなることになる。 これについては父上と母上も 流石に反対はしなかった。 母上は、千歳が娘じゃなくなることに残念がっていたが、この件が上手く収まればまた一緒に住む予定だと伝えると、手の平を返すように喜んでいた。
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