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リュウジが、親が面倒臭がりだったと言うのと同じように、私の親も、自分の娘が思い通りにならなくて苛立っているようなヒステリックな母親だったから、 面倒臭くて片仮名でルナなんてつけたのかも知れないと思った。 共通点があろうと無かろうと、 リュウジが客に連絡先を訊く事なんて、たいして珍しい事でもないのだろうとは思いつつ、 リュウジの携帯のアドレス帳の、数ある女のデータの中の一人に成り下がったかと思うとなんだか嫌気が差した。 私はリュウジの携帯番号とアドレスを電話帳に登録すると席を立ち、 立ったままグラスに僅かに残っていた酒を飲み干して舞に訊ねる。 「この後どうすんの?」 オーストリッチみたいな革張りのソファに頭をもたげながら、ほろ酔い気分の舞がもたれ掛かってくる。 「うーん…、流れに任せる的な?」 そう言うと、舞も自分が送り指名した長身のホストに手を引かれるようにして立ち上がる。
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