4

4/25
前へ
/25ページ
次へ
「なかなか洒落た店でしょう。なるべく急ぐから、先に飲み物でも頼んで、適当にやっててよ」 そう言うと浅井さんはタクシーを捕まえたらしく、着いたらまた連絡すると言い電話を切った。 すでに適当にやっているみたいです、言われなくとも。 いつの間に呼んだのか、やって来た女性の店員に、すでに舞は歯切れよく飲み物を注文している。 「生一つ。ルナは?何にする?」 私は差し出された品書きの中からマッコリを注文し、次いで一足先にユッケとキムチも注文する。 舞も、負けじと冷麺と鶏のユッケを注文する。 店員の女性は、にこやかに丁寧な口調で注文を繰り返すと、楚々とした足取りで、また奥の方へと戻って行く。 「ねえ、やっぱりここ、結構な値段するよね。飲み物の値段も、うちらの店と変わらないじゃんね」 冷えたお絞りを頬に当てながら、品書きを見て感心するように舞がそう言う。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加