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「なかなか洒落た店でしょう。なるべく急ぐから、先に飲み物でも頼んで、適当にやっててよ」
そう言うと浅井さんはタクシーを捕まえたらしく、着いたらまた連絡すると言い電話を切った。
すでに適当にやっているみたいです、言われなくとも。
いつの間に呼んだのか、やって来た女性の店員に、すでに舞は歯切れよく飲み物を注文している。
「生一つ。ルナは?何にする?」
私は差し出された品書きの中からマッコリを注文し、次いで一足先にユッケとキムチも注文する。
舞も、負けじと冷麺と鶏のユッケを注文する。
店員の女性は、にこやかに丁寧な口調で注文を繰り返すと、楚々とした足取りで、また奥の方へと戻って行く。
「ねえ、やっぱりここ、結構な値段するよね。飲み物の値段も、うちらの店と変わらないじゃんね」
冷えたお絞りを頬に当てながら、品書きを見て感心するように舞がそう言う。
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