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「僕と浅井さんがそのまま話の
モデルだって言いたいのかな?」
草野君はやっぱり穏やかな表情を持続させながらそう言う。
「そうだったら面白いなと思って」
私は、物語の内容にあった二人の春画を想像してみた。
面白い。
そんな世界が実際にあるのなら、面白いとしか言いようがない。
「実際は違うよ。浅井さんは君に夢中みたいだからね」
デフォルメされて描かれた二人を想像していた私の見解を、草野君はさらりと否定すると、穏やかな笑みを継続させながら続ける。
「浅井さんがキャバクラの女の子に夢中になってるもんだから、
どんな子なのか気にはなっていたけど」
じゃあやっぱり草野君はゲイなの?と訊こうとすると、
舞が、
「なになに?何の話ー?」
と言いながら私の腕に絡み付いてきた。
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