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個室へ戻ると、話は浅井さんの書いた本についての話題に戻っていた。
舞が熱心に浅井さんの話に耳を傾けているが、私はもう、どうにも、草野君の代筆だとしか思えなくて、
「ルナは浅井さんの本どうだった?」という舞の質問にも、
浮世絵師が、歌舞伎役者に恋をする同性愛の話…、などと内容そのままを説明してみる。
「それ内容そのままじゃん?」
「舞も読んでみたら?」
私が勧めると舞は、「あたし時代物はちょっと…。」と嫌煙するような顔で言う。
それより、せっかく焼き肉屋へ来たのだから、ここぞとばかりに肉を食べておかなければ。
私はいつも、同伴とあらば、やたら食い溜めしておこう、的な食欲を発揮させる。
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