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「……苛々するの？」
苛々するの。
苛々を隠せない私に訊ねる舞に頭の中で答えながら、首だけ動かして「うん」と頷いた。
「苛々するよな…」
同調するように舞が言う。
苛々する。
どうしてだろう？
と考えては分からなくてまた苛々する。
その繰り返し。
私は寛容な方だったはずなのに、この店は苛々を募らせる。
記憶に残る客の言葉や態度が私を傷付けるものばかりだからかも知れない。
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