第1話

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西の宮、古来は、偉大な魔術師や勇敢な戦士達が名を馳せた時代に彼はいた。  遥か続くウェラー大陸。その遥か彼方の山奥には、その名を聞けば大陸を納めた王様や領主達も恐れを成したモノが潜んでいた。  長きにわたり続いた人間達による愚かなまでの争いや戦争も、その存在達を前にしては休戦を余儀無くされた。  時は流れた。時代は、人々に繁栄をもたらした。  しかし、高度な経済成長を遂げたこの大地にもその「「恐れ」」はあった。  かの地より来る、それは、モンスターと言われる魔物であった。  西の宮より遥か東方の地より来たとされるモンスター達は、ウェラー大陸の様々な国や街でその姿を人間に成り済まして人間社会に鳴りを潜め続けていた。  人々はモンスターを恐れた。故にモンスター達は人々を蹂躙した。  ある時は肉を貪り、ある時はそのおぞましい姿で国や街を滅ぼした。  黄昏時は近い。世界は、モンスターの驚異に怯え震える。  しかし、そんな世界にも変わり者と言うのは居たりするものだ。  これは、そんなモンスターの驚異に真っ向から飛び込む一人の語り部、ドン・キホーテ・デ・マローの、その壮絶な旅路を描く物語である。 ++++++++++
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