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「予言は存在するわ。バベルの塔は再び活動を開始する。」
一人の女性が長いコートの裾を引きずりながら入ってくる。首元には動物の毛でできたモコモコのファーがついている。明瞭な顔立ちだ。
「ライラ!!遅刻だぞ!」
「あら、それは失礼。軍部長。」
軍部長は、頭をかきむしる。
学園長がゆっくりと口を開いた。
「ライラは、なぜ予言が存在すると言えるの?」
ライラは、ため息をつくも総長の向かいの席に着く。これで、会議のメンバーは揃った。御膳会議、通称七議席会の始動だ。
「三百年前。世界は一つだった。しかし、バベルの塔の活動により我々人類は滅んだ。奇跡的に生き残った人々は、旧世代の技術を引き継いだ、リヒトとクリスタルの導きの元、魔法という新しい力を使うアハトの別れた。これは事実だからよ。そうよね?司書長。」
「えぇ…。どの文献を見てもこれは事実です。」
司書長が自信を取り戻したようにいう。
「しかしです、我々が立たされている現状とバベルの塔の記録がどう関係するのか、私にはいささか疑問が残りますな。」
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