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ナナセといわれた、茶髪の髪をボサボサにまとめた少女は慌ただしく入ってきたかと思うと自席へとついた。
「本当。ナナセは、隊長が怖いんですね。いい隊長だと私は思いますがね。」
「隊長が来たぞ。」
七人は、隊長へと向き直ると敬礼をした。隊長は、その様子を見ると休むよう、手をゆっくりと下に振った。
「諸君。緊急事態だ。」
かつて、氷帝と言われたクサヤはゆっくりと告げるとゆっくりと六人を見た。
「緊急事態とは…つまり、どういうことなんですか?」
エースは、恐る恐る訪ねた。後に続くように、ジャックが何かを喚くようにいう。
「リヒトが戦闘体制に入ったとのことだ。」
「なんだと…。」
七人は、しばらくその場に凍りついた。
朱歴841年。5月のことである。
━ 一ヶ月前 アハト 御膳会議 ━
「つまり、リヒトが再び挙兵しようとしているというのか?!」
「ええ。私の課の者がそのように報告をしてきたので。」
「ふん、バカバカしい!そんなことが信じられるか!」
「つまり、軍部長は我々諜報課の報告を黙殺すると?」
軍部長は、真っ赤に顔をしながら机を叩いた。司書長がビクリど体を震わせる。
「貴様ら諜報課の情報には、毎回根拠に欠けるのだ!!」
「まあまあ、軍部長もそんなに怒ることないじゃないですか。」
医局長が必死になだめようとする。情報長は、相変わらず目を細め冷ややかな視線を軍部長に当てている。
「どちらにせよ、今の状況。我々がリヒトと戦うとき圧倒的は戦力差が出ることは、周知の事実である。」
「それは…そうですが…総長…しかし…足りない分は学生を用いるしかないのではないかと思います。」
「バ、バカなことを言わないでください軍部長!学生を徴収するなんて前代未聞です!!」
「女のお前には!わからんのだよ!!目の前で起きている殺し合いが!」
「まあ!それは、差別ですわ!」
「総長…。」
情報長が静かに手を上げる。
「リヒトは、今。クリスタルの力を使い強力な兵器を次々と開発しています。我々アハトは、国の存亡かけ国民全員で戦うべきではないでしょうか?」
「しかし…予言の年も今年ですぞ。」
「予言だと?司書長は、いったい何故そんなものを信じるのかね!そんなもの迷信に決まっている。」
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