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・・・ドン・・・ドン・・・
『・・れしい。もうするの?せっかちね』
大きな音と共に、気持ち悪い猫なで声が聞こえてきた。
睡眠のお陰で頭痛はスッキリ抜けていた。
『こっちがベッド?
ねぇ、シャワー浴びてからでいいでしょ?』
…………ああ、失敗。
この想定はしていなかった。
リビングのドアが開く音が聞こえた。
「おかえりなさい。お客様が一緒なのね?」
精一杯の虚勢。
直接、顔を見る事なんて出来ない。
ソファーに寝ころんだまま、声だけを入口の二人に向けた。
「・・・・み、みはるさん?」
航の声がいつもとは違い、何か怖いものでも見たかのように、少し震えている。
「ん、航。おかえりなさ。
・・・その子どうするの?」
イマイチ状況の飲み込めていない航に向かってそう言ってやった。
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