第9話

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・・・ドン・・・ドン・・・ 『・・れしい。もうするの?せっかちね』 大きな音と共に、気持ち悪い猫なで声が聞こえてきた。 睡眠のお陰で頭痛はスッキリ抜けていた。 『こっちがベッド? ねぇ、シャワー浴びてからでいいでしょ?』 …………ああ、失敗。 この想定はしていなかった。 リビングのドアが開く音が聞こえた。 「おかえりなさい。お客様が一緒なのね?」 精一杯の虚勢。 直接、顔を見る事なんて出来ない。 ソファーに寝ころんだまま、声だけを入口の二人に向けた。 「・・・・み、みはるさん?」 航の声がいつもとは違い、何か怖いものでも見たかのように、少し震えている。 「ん、航。おかえりなさ。 ・・・その子どうするの?」 イマイチ状況の飲み込めていない航に向かってそう言ってやった。
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