終わりの前

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小倉城は、相変わらず八坂神社の隣りに、建っていた。 ここも、桜の時期には、満開の桜が美しい。 彼は、満開の桜を思いながら、小倉の街へと向かった。 小倉の銀天街は、やはりクリスマスムードだった。 人垣はさすがに、多くはなかったが、ほとんどの店がなんとか営業しているのを、彼は見ていた。 彼は愛おしそうに、人々の歩みをじっと見つめていた。 彼は、食料品を扱っている旦過市場へ向かった。 なんと、そこは人々でいっぱいだった。 この後に及んで、クリスマスチキンを売っている店や、名物のぬか炊きを売っている店も、いつもどおり営業していた。 彼は右手にはめている指輪へ、もうすぐ帰るよとつぶやいた。 旦過市場でぬか炊きと鯨の刺身を買った彼は、市場の前にやっぱり出ている、屋台でおはぎを手土産に、目的地へ向かった。
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