最後の客

　私は高校卒業後の進路をアメリカ留学に設定した。

　勿論両親には普通の語学留学だと嘘を吐いた。
　だって、ドリームセラピストになりたいなんて言ったら、速攻で大反対を食らうはずだから。

　こうして私はアメリカに行き、7年掛かって念願のドリームセラピストになった。

　それからアメリカで3年の実務経験を積み、帰国したその日、ラッキースターが落ちた。

　それから先は、サロンを開業するとかそんな場合ではなかった。

　只の巨大隕石だったはずのラッキースターが、実は地球の中心目掛けて直進を続け、最後には地球を破壊すると言う。

　そんな終末な空気の中、新しいセラピーを広める雰囲気でもなく……私は帰国後、何となく貯金を切り崩す日々を送っていた。

　そう、あの日までは……。