第3話

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俺に伝わるうねりと震え… 感動で、言葉も出てこない。 閉じた瞳にそっとキスをする。 ピクッと… さっきの余韻か… 震わせる肩。 やっとだね。 やっと同じ世界で愛し合えた。 なんだろうか。 この感動… 自分の腕の中で、 女にさせたという満足感か…? そんな風になるのを何人も見てきた。 だけど、 今までに感じたことのない感情が溢れ出て… 抱き締めると壊れてしまいそうなほど、 力ない体をそっと抱き寄せる。 「わたし…」 掠れた… 艶っぽい声で。 ん? 言い掛けてやめる麻美に続きを促す。 「どうなるのか… 怖かった。 渦に巻き込まれそうで…」 うん… 「どうなったの…?わたし…」 自分に起きたことがまだ解ってないんだな… 「キレイだったよ… 初めて達した麻美の姿。」 唇を寄せると… 頬を赤らめる。 「落ちてくかと想った…」 落ちるか。 そうかもな… 「でも、良かったでしょ?」 うん… と。 恥ずかしそうに。 こんな感想、聞くのも初めてだ。 どんなことでも聞きたい。 麻美が感じたこと。 「毅くんは…」 聞こうとして、またやめた。 ん? 聞いてよ。 何でも… 「毅くん… いつもあんな感じなの?」 そうだよ? はっきり言って、女の子の感じ方と、男のそれは違うとは想う。 それはよく知らない。 だけど、 麻美と愛し合うときには、 いつもそうだよ? 「そうだよ? だから、何度でも毎日でもしたい。 麻美を抱きたい。」 もう一回感じたい? そうささやくと、 恥ずかしそうにコクリと頷いた…
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