第3話

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「大丈夫じゃないよ? 自分の身は自分で守る。 毅くんがずっと一緒には居てくれないんだからね! うちに帰るときには麻美一人だし、 襲われたりしたら女の力じゃ自分を守れない。 そんなことになったら、麻美だけじゃない、 毅くんだって、パパやママだって悲しい。 もちろん私も。 こんなことするんなんて、許せない。 こんなことする奴は、死刑にすればいいのよ。」 いつもの優子じゃない。 何か怯えて、 凄く怒ってる。 「優子…? 大丈夫?」 なんて言っていいのかわからない。 ちょっと怖い… 「あ、ごめん… 小さい頃ね。 お姉さんがね… あ、近所のお姉さん。 よく遊んでくれたの。 優しくて、キレイで。 憧れのお姉さんだった… その人が、  その人がね… そう言う事に巻き込まれたの。 暴行事件。 あの頃は今みたいに警察は個人情報を重視してなくて、 あっという間に町中に広まった。噂が。 あちこちで聞き回るんだもん、 みんなが知っちゃう事になったのね… 私には意味が解らなかったわ。 まだ小さい頃だったから… だけど、 優しいお姉さんも、 部屋から出なくなって… ノイローゼみたいになって… 住んでたマンションから飛び降りた。 死んじゃった。 どうして死んじゃったの? お母さんに聞いても、 乱暴されたの。 って。 それだけ。 小さい私には、殴られたりしただけかと思って、 それでどうして死んじゃうんだろうって。 意味が解らなかったんだ…」 優子は話しながら、 涙を流す… 「優子…」 かける言葉が見つからない。
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