第3話

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「それから、悲しみがずっと続いてるの。 マンションには女の子の幽霊が出るって噂が立ったし、 警察がずっとウロウロしてて、 他の住人たちはこそこそうちの噂話してるし。 お姉ちゃんの幽霊が出るんなら、 どうしてうちには出てきてくれないのよ。 って、 お母さんを困らせた。 で、 居づらくなって、引っ越し。 優しかったお母さんもそれからずっと塞ぎ込んだまま。 人が変わっちゃったんだ。 お父さんともいつも喧嘩してて。 私の居場所がどこにもない。 お姉ちゃんがあんなことに巻き込まれちゃったから… 忘れかけて、 こんな事件が報道されると、 すぐにあの頃に引き戻されて… 休まらないの。 心が。 うちに居ると…」 淡々と話す優子が、 なぜか愛おしくて… 抱き締めた 何も言わずに。 「もう。 何で麻美が泣いてんのよ…」 私は泣いてた。 優子の気持ちを想って… お姉さんの痛みを想って… 残されたご両親の苦痛を想って。 ずるずると、啜りながら、 ただ、抱き締めた。 「だから、 麻美? ちゃんと自分を守って?」 私のことを想って、話してくれたんだ。 私が軽く考えてるから。 思い出したくない事だろうに、 無理矢理思い出して、 教えてくれたんだ…
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