第3話

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そんな辛いことがあって、 それでもこんなに明るく生きてる優子は凄いと想う。 きっとお姉さんの分まで生きようと想ってるんだ。 そう感じた。 「幸せになってね?優子。」 お姉さんの分まで。 「うん。 ありがとう。 麻美にだけよ? こんな話をしたのは。 うちに居たって出来ない。 この話。 やっと吐き出せた。 不思議な子ね…麻美って。 癒してくれるの。苦しいのを。 ずっとそのままで居てね?」 私なんてなにも出来ない。 でも、 ありがとう。 優子もずっとそのままで居てね? 大好きな優子で居て。 なんか、課題なんて忘れてた。 生きるってことは、もしかしたら奇跡の連続なんじゃないかって想える。 その奇跡の中で、 出逢えた優子。 そしてそのお陰で巡り会えた毅くん。 この奇跡がずっと続く。 そう信じてた。 信じて疑わなかったんだ。 これから先、 私にどんな運命が待ち受けてるのかなんて、 ぜんぜん知る由もなく、 不安なんて、 何一つなかった… まだ、 この時には。
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