第1話 襲ってほしいのか?

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5月の上旬。 これは、暑くもなく寒くもなく過ごしやすい日が続いていたある日の出来事。 香坂「……(怒)。」 俺の機嫌が悪くなる原因の原因はほんの1時間前に遡る。 今日は土曜日ということで明日の心配をしなくてもゆっくり飲めるから、といつもの居酒屋に行くと超満員。 世の中同じ考えのやつがいっぱいいるんだなぁ、なんて思っていると一ノ瀬と成宮先生はいつの間にか俺の家で飲み会をするという話にまとめてしまっていた。 コンビニでつまみやらお菓子やらを適当に買い込んで飲み会はスタートした。 そして俺と成宮先生がほろ酔い気分になった頃、それは始まった。 …ポリポリポリポリポリポリ。 …ポリポリポリポリポリポリ。 耳障りな音の先には一ノ瀬がじゃ○りこをかじっている姿。 悠李「それ、CMでやってたやつですよね。これ食べるとついついやりたくなりますよね~。」 そう言って成宮先生はじゃ○りこに手を伸ばし一ノ瀬の真似をし始めた。 …ポリポリポリポリポリポリ。 …ポリポリポリポリポリポリ。 香坂「一ノ瀬、お前ボロボロこぼすんじゃねぇよ。部屋汚れんだろ。」 一ノ瀬「ん?あぁ。ホントだ。」 そう言いながら一ノ瀬は自分のズボンの上に散らばっているじゃ○りこのクズを手で払った。 香坂「てめえ、人の話聞いてねぇのかよ。部屋汚すなつってんのになんで払うんだよ。」 一ノ瀬「あぁ、ついなんとなく。でも成宮先生上手いよね。全然こぼさずにポリポリするもん。それになんかウサギみたいで可愛いし。」 いや、可愛いのは俺も賛成だけどよ、なんでわざわざウサギなんかに例えるんだよ。このバカは。 なんて思いながらも成宮先生に視線を向けると得意気に今度は野菜スティックに手を伸ばし始めた。
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